愛の言葉。
先日の、彼と一緒に巡った美術館でのこと。
それぞれ少し離れた場所の展示を見てたら、彼が私のとこへやって来て
「『大学時代はスミレばかり描いてた』」
って言います。
「?。なあに〜?なんのこと?」
って聞いたら、彼の見ていた展示物の所へ連れて行き、作家の書いた説明書きを指し示し、
「ほら、『大学生時代はスミレばかり描いてた』だって。」
そこを見ると
「大学生時代は内股の女の子ばかり描いてた」
との説明書きのタイトルがありました。
私は今でこそ直りましたが、幼少の頃からハタチくらいまで、内股でした。
高校時代、電車とバスを乗り継ぎ通学していました。同じバスに毎朝乗っていた私たちです。
バス停を降りると、私が友だちと前を歩き、その後ろを彼が友だちと歩いて高校まで通いました。
朝、乗り込む時は彼らの方が先にバス停に着いていたので、後ろの席に座り、私たちは立ってたので、バスから降りるのは私たちが先。
だから、彼はいつも私の後ろにいたとのことです。
(私はほとんど覚えてないのですが、、、)
付き合いたての頃、彼から言われました。
「いつもスミレが俺たちの前を歩いてたんだよ。だから、いつも後ろからスミレを見てた。スミレ、内股だったよね。スカートの下から足がこう、伸びててさ。」
懐かしそうな眼差しで言われました。
内股のことを人から言われたのは、家族以外では初めてでした。
ああ、見ててくれたんだなぁ、って胸がいっぱいになったのを覚えてます。
今回、二年ぶりに彼からその話をされ、なんだか涙が出そうでした。
「好き」とか「愛してる」って、その言葉そのものだけから受け取るものじゃないんだな、って心に沁みました。
思い返してみれば、たくさんの「愛の言葉」を彼からもらっていたのです。
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